『バタフライエフェクト』評価感想*タイムリープの王道である名作
※後半にネタバレあり(注釈後)※
映画感想語り、今回は『バタフライエフェクト』(2005年)です。
監督はエリック・ブレス&J・マッキー・グラバー。
バタフライエフェクトとは『蝶が羽ばたく程度の些細な出来事や因果関係の繰り返しが、歴史や運命を決定し、人生の行き先にまで影響を与えること』です。
タイムリープものなどでよく使われる、日本でも有名な理論です。
その中でも有名なこの作品に影響を受けた人はきっと多いでしょう。
*あらすじ*
時折、短時間の記憶を喪失することがあった少年エヴァン(ローガン・ラーマン)は、医師の勧めで治療の一環として日記を書き始める。
エヴァンにはケイリーという幼馴染がおり、ある日ケイリーの家で遊んでいたが、その時の記憶もエヴァンは失くしていた。
父親がいないことの寂しさやストレスから来る症状かもしれないと医師に言われたエヴァンの母は、父親と面会させることにする。
エヴァンの父親はずっと精神病院に入っており、対面した途端また記憶が飛び、気がつくと父親に首を絞められていた。
それから6年後、エヴァンは友人のレニー、ケイリーの兄トミー、ケイリーの4人で悪さをしてつるむようになっていた。
ある日家でダイナマイトを見つけたトミーが、これで何かを爆破しようと提案する。
トミーは気弱なレニーを指名して、留守中の豪邸にタバコを差したダイナマイトを置いてこいと命令する。
恐る恐るポストに投げ入れたレニー。
隠れて爆破するのを待つ間にエヴァンはまた記憶を失う。
次に気がついた時には、ぐったりしたレニーを抱えながら逃げている最中で、レニーは入院することとなった。
ある日トミーはエヴァンとケイリーがキスをしている場面を目撃する。
溺愛している妹を取られたことに激昂したトミーは狂気に走り、エヴァンに強い憎しみを持つようになった。
レニーが退院してからケイリーと3人で遊びに出たエヴァンは、トミーが自分の飼い犬を殺そうとしている場面に出くわす。
必死で止めるもまた記憶が飛び、気がつくと傷だらけで倒れていた。
そんなエヴァンの状態に悩んだ母親は引っ越しを決意する。
走り出す車を追って見送るケイリーに、エヴァンは『必ず君のところに戻る』と書いた紙を窓越しに見せるのだった。
それから7年後。
大学生になったエヴァン(アシュトン・カッチャー)は、記憶喪失の症状が丸7年起こらなかったことを喜んでいた。
毎日欠かさず書いていた日記を読み返すと、その日記に書かれている過去の時点に戻れる能力がある事に気づく。
自分のせいでケイリーの人生を狂わせてしまった事を知ったエヴァンは、過去に戻り運命を変える事を決意するーー
*評価(最高★5)
全体 ★★★★☆
王道のタイムリープものです。
複雑になりがちなこの手の作品ですが、非常に綺麗にまとまっていて理解しやすいと思います。
伏線回収もお見事です。
感動 ★★★★☆
何度も過去を繰り返し幸せな未来を手に入れようとするも、なかなか上手くいかない。
誰かが幸せになれば、誰かが不幸になる。
その果てにどうなるのか。
最後の選択は観ている側に訴えるものがあります。
ミステリー度 ★★★★☆
なぜ記憶が飛ぶのか。
なぜあの時なのか。
どうすれば皆幸せになれるのか。
エヴァンと一緒に悩み、理解した果てのラストは深い余韻を与え、過去を変えるとはどういうことなのか考えさせられます。
オススメ度 ★★★★☆
有名な王道タイムリープ作品として、観て損はないです。
タイムリープを扱った作品は今たくさんありますが、その元となった作品としてオススメします。
私もこの手の題材は多少食傷気味でしたが楽しめました。
過去の旅の先にエヴァンが辿り着いた答えを観てみてください。
※ここからネタバレ感想↓※
ネタバレ書き中……_φ(・_・
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※ここからは内容を知っている前提です。
まさにタイムリープ系の王道ストーリー。
日本だと『時をかける少女』がだいぶ展開として近いですね。
綺麗に締める王道ストーリーすぎて、逆に感想もスッキリめで多くありません(笑)
日記をつけ始めたのは、初めてタイムリープした影響で記憶が飛んだせい。
でも日記を読まないとタイムリープはできない(過去の映像でもできるようですが)
どっちが先か?というまさにループ世界ですね。
そこが1番難しいところで、そこ以外は分かりやすいです。
何度トライしても、あちらを立てればこちらが立たず状態で、なかなか望んだ未来になりません。
エヴァンと同じく、自分や周りの為に未来を変えようとしたのでしょう。
その果てに、精神病院へ入ることとなってしまいます。
エヴァンは父親に「自分ならもっと上手くやれる」と言いますが、父親は頑なに反対し、エヴァンを手にかけようとします。
息子が自分のような生き地獄状態の不幸な未来に辿り着くくらいなら、今この手で…と思ったのかもしれません。
「こんな力は使ってはいけない」
結局、父親の言うことは正しかった。
彼女と幸せになれる運命の糸は、最初に失敗した時点で完全に切れてしまったのです。
自分とケイリーが結ばれることだけを考えるなら、最初にウェイトレスをやっている彼女に会いに行った時に「迎えにきた。愛してる」と伝えていればよかったかもしれません。
あの時の彼女はそれを期待していました。
でもエヴァンは自分の抜けた記憶を知るのに必死で、それが相手のトラウマを刺激し辛い思いをさせることを考えていませんでした。
結果ケイリーを自殺に追い込んでしまいます。
エヴァンが自分とケイリーの幸せだけを望むならまだやりようはあったかもしれませんが、彼は自分と関わる人達みんなを幸せにしたかった。
そう思うのは友達想いで素晴らしいですが、多くを望んではいけなかったのです。
そもそも未来を変えようなんて望んではいけなかったのです。
力を使った代償はケイリーとの繋がりを失うことでした。
エヴァンは最終的に、自分がケイリーに関わらないのが1番皆の幸せに繋がるという結論に至ります。
自分の脳がもう保たないことを知ったエヴァンは、命をかけて最後のタイムリープに挑みます。
ケイリーと初めて出会った時のビデオを観て、まだ1度もタイムリープを使っていない過去に遡り、ケイリーをわざと傷つけ縁を切ります。
自分の幸せを犠牲にして、ケイリーを救うことを選びました。
私はエヴァンが最終的に自分の命と引き換えにケイリーを救うと思っていたので、生きていて安心しましたε-(´∀`; )
彼にとっては何度も苦心して積み重ねた上の一大決心ですが、ひと繋ぎの人生という観点から見たらただの大失恋です。
命懸けで守りたいくらい愛していた彼女は失うことになりました。
けれど彼の側には大切な友人レニーがいます。
母も元気な、幸せな生活。
そしてケイリーと兄トミーも、虐待されていた父親から離れ、母親に引き取られて幸せな人生を歩んでいます。
何より最後に1番昔に飛んだことにより、タイムリープして変えようとした未来をなかったことにできました。
それによって脳の損傷もなかったことになり、自分の命も人生も救うことになったのです。
エヴァンはもう過去を振り返らないという決意で日記を焼きます。
悲恋ではありますが、これでよかったのだと思いました。
大人になったケイリーに街中ですれ違いますが、もちろんケイリーはエヴァンを覚えてはいません。
エヴァンは振り返りますが、彼女は背中を向けて歩いていきます。
エヴァンが向き直ると、ケイリーは何かを感じたように振り返るのでした。
そして縁は繋がらないまま、お互い雑踏の中に消えていきます。
彼女の未来が幸せなことを祈ってーー
ここまで読んでくださりありがとうございました(*´ω`*)ゞ
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