『マイティー・ソー』評価感想*マーベル神話ヒーロー誕生!
※後半にネタバレあり(注釈後)※
映画感想語り、今回は『マイティー・ソー』(2011年)です。
マーベル作品。監督はケネス・ブラナー。
『アベンジャーズ』を鑑賞する上で観ておきたい作品その2です。
その1はこちら↓
『アイアンマン』評価感想*アベンジャーズ始まりの物語 - みこブロ
アスガルドの世界は北欧神話に近いですが、アメリカには北欧ならぬ北米神話とも言われる独自の神話があるそうです。
『マイティー・ソー』は、それが元になってるのだとか。
何やらややこしいですね(゚o゚;;
深く考えずとも「神話ヒーローが誕生するまでの話」でオッケーです。
*あらすじ*
紀元前965年。
オーディン(アンソニー・ホプキンス)率いるアスガルドの軍団は、ラウフェイ率いるヨトゥンヘイムのフロスト・ジャイアントの侵略からミッドガルド(地球)を守るために戦った。
戦闘の末、アスガルドの戦士たちはフロスト・ジャイアントを破り、そのパワーの源である「箱」を押収した。
地球の人々はその戦いを神話として語り継いだ。
そして現代。
オーディンの息子のソー(クリス・ヘムズワース)のアスガルド王位継承の儀式の最中に、フロスト・ジャイアントが「箱」を奪おうと宝物庫に侵入する。
気づいたオーディンが戦闘マシン「デストロイヤー」で阻止するも、宝物庫にまで侵入されたことに憤慨するソー。
オーディンは休戦を崩したくないとするが、儀式を台無しにされたソーはオーディンの制止を無視し、弟のロキ(トム・ヒドルストン)や幼馴染のシフ、「ウォリアーズ・スリー」のヴォルスタッグ、ホーガン、ファンドラルを引き連れ、ヨトゥンヘイムに攻め込んだ。
劣勢の中オーディンが介入して一同は退却するが、ソーの身勝手な行動によりアスガルドとヨトゥンヘイムは全面戦争の危機を迎えてしまう。
傲慢なソーに怒ったオーディンは罰としてソーのパワーを奪い、ソーの神器ムジョルニアと共に地球に追放した。
ソーはニューメキシコ州へと落下し、天文物理学者のジェーン・フォスター(ナタリー・ポートマン)そのアシスタントのダーシー、指導者のエリック・セルヴィグ博士に発見されるーー
*評価(最高★5)
全体 ★★★★☆
神話の世界から来たヒーローということで、神話あるある展開が満載です。
ちょっとベタすぎかなぁと思う部分もありますが、神話世界の美しさや、キャラクターの魅力はたっぷりです。
SFとファンタジーが混ざった世界観も面白いですね。
ソーいわく「人はこの力を魔法と呼び、今は科学と呼ぶ」だそう。
感動 ★★★☆☆
私が予想しながら観るタイプなのもあるんですが、良くも悪くも王道なので、展開が分かってしまって意外な感動はあまりないです。
神と人間はもう少し距離感というか、意識の違いみたいなのがあってほしかったですね。
仲間達との絆の強さはとてもよかったです。
迫力 ★★★☆☆
武器が神の力を持ったハンマーなので、バトルは豪快です。
叩くだけじゃなく、振り回して投げたりなど割と多彩な使い道があります。
が、なんせ見た目がまんまハンマーなので…不思議な気持ちに(笑)
圧倒的なCGで描かれた世界は、美しく大迫力です。
オススメ度 ★★★★☆
『アベンジャーズ』シリーズとして『アイアンマン』の次に観ましたが、比べるとこちらの方が若干見劣りするかなという感想です。
笑い要素はあれど、そこまでコメディに寄ってないはずなのに、ずっとコメディ感があるというか(゚o゚;;
やっぱりどうしてもベタ展開とハンマーが…
ソーの笑顔がソーキュート!なので、ちょっと甘い判定です(笑)
※ここからネタバレ感想↓※
ネタバレ書き中……_φ(・_・
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※ここからは内容を知っている前提です。
『アベンジャーズ』前知識として鑑賞、第2弾です。
最初の感想は「え!神参戦はアリなの!?」でした。
神きちゃったらパワーバランスがおかしくなるんじゃ…(゚-゚;)
それぞれレベルに合った敵を相手するんですかね。
そこは『アベンジャーズ』を観てからの感想をお楽しみに。
神々の世界が舞台という『ヘラクレス』を彷彿とさせるストーリー。
あちらはギリシャ神話ですが、こちらは北欧ならぬ北米神話ベースです。
神秘の力で救われた地球の人間達から見ると、天から来た「神」という扱いなだけで、実際は神というより別世界(宇宙のようだけど少し違う)の住人です。
ワームホールという言葉も出てくるので、アスガルドもヨトゥンヘイムもミッドガルド(地球)も、それぞれ別の次元で存在していると私は理解しました。
時間の流れも違うようですし。
実際どうなのかはハッキリとした説明がないので分かりません。
ですがやはり神話がベースなので、神話あるある満載です。
では恒例の突っ込みポイントを( `・∀・)ノ
・兄弟で王位継承権争い
あぁ〜これ王に選ばれない方が嫉妬して闇落ちするやつ〜!!
兄を見る時のロキの顔を見て、よりその空気を察する私。
そしてソーとの会話でバレバレな誘導を行うロキに疑念を強める私。
父の決定に反感を持つ兄を煽っておいて「あ、言っちゃった…!」みたいな演技はあからさますぎるでしょう(;-ω-)ゞ
私の眼をすり抜けて入り込める奴などいないと語る門番ヘイムダルの言葉に、さらに疑念が深まります。
氷の巨人と戦っている時にラウフェイが言った「オーディンの周りは裏切り者だらけだ」という言葉と、誰かを見ているような視線に確信に近いものを持つ私。
まだ希望はあると思っていたところに『実はヨトゥンヘイムからの拾われっ子だった』という決定打がきます。
そして追放されたソーに対して放った「父上は死んだ」という嘘で、残念ながら闇落ち確定しました。
それでもロキは、アスガルドが故郷だと思っていました。
彼はラウフェイに対して寝返ったように振る舞いつつ、ラウフェイを罠に嵌めて倒します。
そして父を救い、ヨトゥンヘイムを滅ぼそうとします。
「兄さんに勝つことで自分にもできると認めてもらいたかっただけだ!」と言うロキは、なんとも悲しいですね。
養父オーディンの愛情が本物なのは理解しているし、兄を羨みはしても嫌いなわけじゃない。
それでも「実の子ではないから選ばれなかった」という強烈な劣等感に支配されてしまう気持ちは分からないでもないです。
私自身は実の親子がどうかより、絆の強さが大事だと思います。
でもそういうのってなかなか上手くコントロールできないですよね(´-ω-`)
「自分は何者なのですか…!」と苦しむロキ。
オーディンも言うべきか散々迷ったでしょうし、アイデンティティの構成って本当に難しいですね。
ロキの最後は気になる終わり方でしたが…それはまた後述します。
・傲慢さから天界追放され地上へ
これも神話ではよくある話ですよね。
「根性叩き直してこい!」という試練的なものから、「お前は一生人間として生きていけ」という完全追放系まで理由は多数です。
ソーは一見完全追放に見えましたが、実は試練でした。
オーディンは、息子が地上での経験を通じて立派な王の器になって戻ると信じていました。
だからこそ、ソーの武器であるムジョルニアも一緒に送ったのでしょう。
余談ですが、オーディンを演じるのはアンソニー・ホプキンス。
彼と言えば、つい最近レビューした『ハンニバル』のレクター博士が印象深いです。
レクター博士はとにかく目が怖かったですが、オーディンは怖くないですね!
ですが全てを見透かすような強い眼差しは変わりません。
兜、眼帯、もじゃもじゃ髭で、ほぼ目しか見えないオーディンですが、目だけで威厳を出せるアンソニー・ホプキンスは素晴らしい役者さんだと思います。
・真実の愛を知って復活
愛の力で苦難を乗り越えるのは、おとぎ話の定番です。
愛というのは神話でもキーになりやすいですね。
ですが…!!
正直なところ、アクションやホラーで恋愛を入れ込んでくるのはあまり好きではありません。
元から恋仲だったり、その作品において必要な恋愛ならいいんです。
でも大体「恋愛なくても良くない?友情とかでも良くない?」みたいなのが多いこと!(主観)
特に洋画はその傾向が多い気がします。
文化や価値観の違いなんでしょうか。
恋愛シーンを入れるくらいなら、もっとアクションなり怖いシーンなり、そのジャンルに求めているものを入れてほしいと思う派です。
あっさりならいいんですが、それだと余程上手く見せないと急に!?感が出るので、それくらいなら恋愛要素いらないと思ってしまいますね〜。
そんな私は少数派でしょうか?Σ(゚Д゚)
その点、あくまで男女の相棒として描ききった『パシフィック・リム』は好感度高いです。
そして今回の作品、取ってつけた感もあっていらないなと思いました。
もうこれは完全に個人的な好みなんですが…
神と人間は、どれだけ友好を築いても違う世界の住人でいてほしいんですよね。
居場所ではなく、精神的な話です。
人間はあくまで守るべき存在であり友人であり、同じ立場で恋愛する存在ではなくあってほしい( ノ゚Д゚)ノ
そういう意味では、幼馴染のシフとならまだ納得しました。
ちなみに、シフと共にいつもソーとつるんでいる「ウォリアーズ・スリー」の1人に侍みたいな戦士がいますが、演じているのは浅野忠信さんです。
ソーは地球の人々との触れ合いで意識が変わり、命令に背いてまで迎えにきた仲間達の想いに触れて王として相応しい器になりました。
ロキを止める為にアスガルドに帰らなければならないけれど、「地球の恩人達に必ず恩返ししに戻る!」で良くないですか?(´・ε・`)
結局その思いはすぐには果たせないんですが、何で恋愛じゃないと強い絆にならないんだろうと毎回疑問に思います。
ジェーン達とは異世界の恩人であり友人として絆を深めて欲しかったです。
話は変わって。
ソーは最初、傲慢で自己中心的て好戦的な性格なんですが、カリスマ性があり仲間を大切にします。
地球で生活してもどこか浮世離れした雰囲気は、堂々とした振る舞いだけでなく見た目からも感じます。
何より笑顔がチャーミング。
ニコッと笑う顔は本当にイケメンかつ可愛いのでぜひ実際に観てください(。ノω<。)ノ))
傲慢で独りよがりな性格だとは思えないこの笑顔。
ちょっとファンになりました。
良くも悪くも純粋で子供っぽいということなんでしょうね。
最初は戸惑っていた周りの環境に、割とすんなり適応するのも純粋だからなのでしょう。
確かに傲慢なんですが、横暴ではありません。
自分が悪いと思えば、しっかり直すことができる人物です。
最初は混乱して暴れていましたが、敵じゃないと分かると素直に笑顔を向けてくれます。
順応が早いのは、知識として地球を知っていたからというのもあると思いますけどね。
ちなみに身体はムッキムキです!
そんなパワーを活かして「ムジョルニア」というハンマーで戦うのがなかなか斬新ですね。
ダーシーいわく「ムニョムニョ」です。
覚えにくい変わった名前ですが、一度覚えると頭から離れない不思議な響きですよね(笑)
ソーは「雷神トール」がモチーフなので、まさにトールハンマーです。
「神の鉄槌」という言葉の語源でもありますね。
なので神の武器として相応しいんですが、なんせ見た目がただのトンカチすぎて。
正直ちょっとダサ…(´Д` )げほげほ
もうちょっと柄が長くて大きかったら、担いだ姿や振り回す戦いも様になるのになぁと思いました。
あんな小さいハンマーで巨大な竜巻を起こすソーの力を表現したかったのかもしれませんが、もうちょっとカッコいい見た目にしても良かったんじゃなかろうか。
まんまトンカチ型のハンマー(しかも手持ちサイズ)がメイン武器なのなんて、ソーかハンマーブロスくらいだぞ!Σ(゚Д゚)
地上に落とされたムジョルニアは、絶妙なバランスで地面に刺さっております。
聖剣エクスカリバーみたいに、持ち主に相応しい者にしか抜けない仕様です。
持ち主以外だと、とんでもなく重く感じるようです。
ハンマー持って飛んでるポーズがウルトラマンぽくて笑いました。
赤いマントだし、スーパーマン感出してるのかな。
アスガルドを守護する巨人「デストロイヤー」も、ウルトラマンチックだなと思いました。
どこがと言われたら…見た目と攻撃の仕方がなんとなく?程度ですが。
町がハリボテっぽいのもあるのかも。
なぜかセブンイレブンがあって、すごく浮いて見えるのでそこに目が行ってしまいましたよ(笑)
熱光線で町を破壊していくのは、ゴジラ的な特撮感がありましたね。
そうなんです。
アスガルドは今風CG感なんですが、地球での戦いはすごく特撮感を感じるんです。
実際どうなんでしょうね。
ちなみに地上に降り立ったデストロイヤーを見て、政府の要人が「スタークの兵器か?」と言う『アイアンマン』とのちょっとした繋がりもありました。
ソーはムジョルニアらしき物体の噂を街で聞き、そこへジェーンと向かいます。
ムジョルニアは「シールド」という組織がすでに完全包囲しており、ジェーンは無理だと言いますが、ソーは正面から突っ込んで派手に暴れます。
ハンマーがなくても普通に強いソーに、手こずる要人達。
ムジョルニアまで辿り着いたソーは、自信満々に持ち上げようとしますがビクともしません。
「相応しい者しか手にできない」
父オーディンの言葉を思い出し、自分は見放されたと落ち込むソー。
さらにロキの幻影が現れ、ソーに「父上は亡くなった。兄上はもう戻れない」と伝えます。
ショックを受けたソーは、その言葉を静かに受け入れるしかないのでした。
絶望するソーにエリック博士はこう言います。
「今立っている場所を自覚してこそ、進む道が見えるのだ」と。
ソーは酔って動けないエリック博士を、ジェーンの家まで連れて帰ります。
そしてジェーンと夜空を見上げ、アスガルドとこの世界の繋がりについて穏やかに語るのでした。
挫折を知り、人の優しさや愛を知ったソーは、デストロイヤーとの戦いで完全に力を取り戻します。
そしてロキを止める為にアスガルドに戻ります。
負傷しているヘイムダルを連れながら、王宮でロキを探すソー。
その時ロキが転送装置を起動し、ヨトゥンヘイムを崩壊させ始めます。
1人向かったソーは、激しい攻防の末に勝利します。
しかし暴走した転送装置の勢いは凄まじく、近づくことができません。
「どうしたマイティー・ソー!」と倒れながら煽るロキ。
ソーはムジョルニアを持ち、転送装置を繋ぐ橋を叩き壊し始めます。
「地球の女に逢えなくなるぞ」と叫ぶロキを尻目にソーは叩き続け、最後に「すまない、ジェーン…!」と呟き橋を壊します。
転送装置は落下していき、ヨトゥンヘイムの崩壊は止まりました。
その衝撃でソーとロキは橋から落ちそうになりますが、その手をオーディンが掴みます。
ロキはソーのハンマーの柄に捕まっていました。
「自分はアスガルドの為を思ってやったんだ!」と訴えるロキに「それは違う」と残念そうに言うオーディン。
ロキはその言葉に、ショックを受けたようにも、分かっていたようにも見える表情を見せて、自ら落ちていきました。
平穏の戻ったアスガルドで、ソーは父と語ります。
「貴方ほど良き王はいない。私はまだ未熟者です。しかしいつか必ず誇れる息子になります」
そう父に言うソーに父は「今でも誇りに思っている」と語るのでした。
壊れた橋の先端には、変わらず立つ門番ヘイムダルの姿が。
道は途絶えてしまったと言うソーに、全てを見ることのできる眼を持つヘイムダルは言います。
「いえ、道はいずれ繋がります」と。
地球ではジェーン達が研究を進めていました。
異世界に繋がる道を探すために。
いつかまたソーに逢えるようにーー
最後、またしてもニック・フューリーがアベンジャーズへの勧誘に来ます。
彼は研究を続けるエリック博士を呼び出し、道を繋ぐ鍵となる装置を渡す代わりに我々に協力してほしいと言います。
迷う博士と重なるように、ロキの姿が鏡に映ります。
そしてロキが「わかった」と言うと同時に、博士からも同じ言葉が出ます。
なんとも意味深な終わり方でしたね。
落ちたロキがなんらかの方法で助かり、エリック博士の精神を操ったのでしょうか。
次元の狭間に落ちて過去の地球で人間として生きたロキが実はエリック博士だったという説も思いつきました。
だから一気飲み対決で張り合ったり、たまに意味深な言葉を投げたりしてたのかなぁとか。
ですが『マイティー・ソー』の続編でもロキは出てくるようなので、やはり操った説が濃厚ですかね。
色々突っ込みましたが、なんだかんだ楽しめました!
『アベンジャーズ』でソーがどんな活躍をするのか楽しみです(人゚∀゚*)
ここまで読んでくださりありがとうございました(*´ω`*)ゞ
もし少しでも楽しんで頂けたら、読者登録やコメントしてもらえると嬉しいです♪
※内容は予告なく変更されたりします。
↓参加してみました(* 'ω')ノ