『死霊館のシスター』評価感想*見た目は最恐な悪魔シスター
※後半にネタバレあり(注釈後)※
映画感想語り、今回は『死霊館のシスター』(2018年)です。
監督はコリン・ハーディー。
『死霊館』シリーズの最新作にして、全ての始まりの話。
エンフィールド事件で出てきた、シスターの姿をした悪魔ヴァラクの誕生秘話です。
*あらすじ*
時は1952年、2人のシスターが暗い地下墓地の廊下を歩いていた。
キリストの血で悪魔を封印しようと試みたが襲われ、もう1人のシスターに鍵を託して扉の奥へと消えた。
鍵を託されたシスターは自分が悪魔に憑依されるのを防ぐ為、キリスト教の大罪である自殺を決行した。
数日後、フレンチ(ジョナ・ブロケ)という青年が物資を運びに修道院に立ち寄り、シスターの遺体を発見する。
その報告を受け、ヴァチカンの教団は調査の為にバーク神父(デミアン・ビチル)と見習いのシスター・アイリーン(タイッサ・ファーミガ)を派遣する。
バーク神父は不可解な現象が起こると呼ばれる調査員の1人であり、この修道院が神聖であるかを調査せよと言われていた。
アイリーンはなぜ見習いの自分が同行者に選ばれたのか疑問に思うが、バーク神父は「これも神の思し召しだ」と言う。
アイリーンは幼い頃から幾度も不思議な幻覚を見ていた。
遺体の発見者フレンチの案内で、バーク神父とアイリーンは森の奥にある問題の修道院に向かうーー
*評価(最高★5)
全体 ★★☆☆☆
いい風に言えば「古き良き正統派ゴシックホラー」
裏を返せば「非常に古臭い」です。
『死霊館』シリーズ自体がそういうテイストなので、それを分かった上で観ればそこまで引っかからない部分かもしれません。
それにしても展開がチープに思えました。
シリーズの元凶の話なので、他を観てなくても大丈夫です。
怖さ ★★★☆☆
古典的なだけに、王道な脅かしで来ます。
分かっていても怖いものは怖い。
王道というのは、何度やっても間違いない怖さでもあります。
今作も本体がなかなか姿を現さない、ジャパニーズホラー的な怖さがあります。
修道院とシスターの不気味さにゾワゾワします。
グロさ ★★☆☆☆
ゾンビのようなシスターの気持ち悪さはありますが、グロさはだいぶ控えめです。
とてもお上品な、雰囲気で怖がらせるホラーです。
オススメ度 ★☆☆☆☆
『死霊館 エンフィールド事件』を観てからの鑑賞ですが、こちらは更に古臭さMAX。
『死霊館 エンフィールド事件』評価感想*実話ベースの正統派オカルトホラー - みこブロ
本当に去年公開されたばかりの作品なのか疑ってしまうくらい古典的です。
シリーズ初の4DX公開だったそうですが、飛び出す怖い映画に寄りすぎて普通に観ると少々滑稽に見えます。
今回はフィクションですし、あの恐ろしいシスターが今度こそ暴れてくれるのかと思ったのですが…色々残念すぎました。
※ここからネタバレ感想↓※
ネタバレ書き中……_φ(・_・
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※ここからは内容を知っている前提です。
死霊館シリーズのスピンオフ作品ということで、関わりのある『死霊館 エンフィールド事件』を先に鑑賞しました。
そこで出てきたシスター姿の悪魔「ヴァラク」の誕生秘話なんですが…
いやいや!!さらに古臭くなってるやん!!Σ(□`;)
エンフィールド事件の時も全く同じ感想を持ちましたよ。
この映画本当に去年(2018)公開のやつなんですよね…??
低予算だったんでしょうか。
人気シリーズの最新作だとは信じられないくらいB級感がありました。
CGがチープすぎて興醒めです。
というか、今時CGじゃなくて特殊メイクとか使ってるのかな!?と思うくらい作り物感がハンパなかったです。
バーク神父が蛇に首を絞められるシーンなんて、昔の特撮かと思いました。
そして突っ込みどころ満載です。
古典ホラーあるあるをしっかり踏襲しているという点では、過去にレビューした『キャビン』の神々が喜びそうですね。
『キャビン』評価感想*さぁパーティーの始まりよ!! - みこブロ
…いや、あの神々は割と今風のホラーあるあるが好きな俗物だからダメか(-_-;)
恒例の突っ込みポイントを書いていきます。
・すぐに単独行動する問題
ホラーを観ると毎度思いますが、なんでみんな怪しい場所にすぐ1人で向かってしまうのか。
ちょっと物音がした。
ちょっと何か気配を感じた。
挙句、みな固まって行動してる時に声もかけずに別の方向へ。
それで扉塞がれてバラバラにされて襲われてはギリギリで誰かが駆けつけ…の繰り返し。
せっかく複数で来たんだから、もっと固まって行動しよう?
手分けするとか、夜中に一人起きて見に行くとか、ホラーで1番やっちゃいけないやつ!!
しかも何回そのパターンやるのさ!学習しよ!(つД`)ノ
せめて一言伝えてから行きましょう。
それができる状況なのに、やらないでフラフラ行くのがダメすぎです。
悪魔の思うツボにハマりまくりです。
・バーク神父お荷物すぎ問題
バーク神父、こういう類のエキスパートなのかと思ったら役立たずすぎてビックリでした。
この話はフィクションですが、繋がる話が実話なだけに現実的な悪魔払いの範疇を超えた力はなかなか出しづらいんでしょうね。
それにしても、アイリーンがいなかったら何も解決しなかったですよ。
逆にバーク神父はいなくても解決できてた気がします。
夜中一人で悪魔を追っては、見事に罠に嵌められ、棺桶で生き埋めにされる。
すぐアイリーンが気づいて掘り起こしたから助かりました。
そして肝心のシスターではなく、恐らくヴァラクの手先であろう悪魔に翻弄される。
昔助けられなかった少年ダニエルの姿で惑わしますが、神父ほいほい引っかかります。
経験豊富なんですよね…?
悪魔が弱みにつけ込んでくるのは知ってますよね?
それは悪魔の精神攻撃であって、本当のダニエルじゃないとなぜ分からない(;´Д`)
分かってても引っかかるくらい後悔してるとしても、そこはプロとして引っかかってはいけない罠じゃないでしょうか。
そして肝心なところをアイリーンに任せ、自分は資料漁り。
男子禁制だとしても、悪魔がいるような場所で禁制も何もないでしょうに。
当然アイリーンの元へ行けなくなり、心配して駆けつけたフレンチに助けられる始末。
死霊化したシスター1人退治するのに手間取り、結局フレンチが銃で倒すという有様。
最後はまた分断され、蛇に首を絞められぐったり。
アイリーンが襲われてるのに何もできず。
見習いのアイリーンと一般人のフレンチの方がよほど有能でした。
ほぼ戦闘能力ないなら単独行動しなさんな!
・悪魔の攻撃がワンパターン問題
これも実話に繋げるにはあまり派手な攻撃はできなかったのでしょう。
ですが、毎回同じは流石に飽きます(;-ω-)ゞ
シスター達が祈り始めた!
ヴァラクは「吹き飛ばし」を使った!
フレンチが邪魔してきた!
ヴァラクは「吹き飛ばし」を使った!
アイリーンが向かってきた!
ヴァラクは「吹き飛ばし」を使った!
悪魔の常套手段「吹き飛ばし」です。
吹き飛ばされて壁にバーンは、悪魔が出てくる正統派オカルトホラーでは鉄板ですね。
エンフィールド事件でも、エドを助けようとするロレインを吹き飛ばしてます。
正直ショボいです。
ワイヤーアクション感がすごい。
霊や悪魔ならサイコキネシス的な力で人を捻り殺すくらいできそうですが、それは絶対にしてこない優しさ。
せいぜい首絞め程度です。
『死霊館』シリーズは無闇に人を殺さない意向のようなので、あまり強い攻撃はしてこないようにしているのでしょう。
吹き飛ばしも壁を突き破るくらいの威力があったら死んじゃいますからね。
あとは精神攻撃と、摑みかかるのみ。
実にシンプルです。
4DXを意識してか、飛び出し摑みかかりが多かったような気がします。
でも基本脅かしなのですぐ離してくれます。
せっかく怖い見た目してるんだから、めちゃくちゃ追いかけてきたりしてくれたら怖いのにもったいない!
最後の最後までチラ見しかさせてくれないです。
この恥ずかしがり屋さんめ☆(錯乱)
最後は倒したと思ったらフレンチに憑いていたというオチでした。
あくまでヴァラクの誕生を描いた話なので、この終わり方は当然ですね。
ですが、倒したやつは何だったのでしょう。
ヴァラクはフレンチを捕まえた時に入り込み、それ以降のシスターはただの操り死霊だったということでしょうか。
アイリーンが幼い頃からたびたび見ていた幻覚は、最後に必ず「マリア様の指し示す方へ」という言葉で終わっていました。
その幻覚はこの時の為のもので、ヴァラクを封印する手段である聖遺物「キリストの血液」の隠し場所を示すものでした。
バーク神父が、アイリーンが選ばれたのは神の思し召しだと言ったのはその通りでしたね。
最後の倒し方が、アイリーンの毒霧ばりの血液噴射だったのには笑いました。
もうちょっと神聖な倒し方でもよかったのでは…これも4DXの為の演出か(笑)
今回も誰も犠牲にならなかったのはよかったです。
脅かしが多いお化け屋敷的ホラーなので、実際に自分があれを体験したら普通にめちゃくちゃ怖いと思います。
こんなのが後ろをついてくるだけで速攻限界を迎えます_:(´ཀ`」 ∠):
富士急ハイランドの『戦慄迷宮』に行ったことがありますが、2度と行きたくないと思いました(笑)
行ったことないホラー好きさんはぜひ…日本一怖いお化け屋敷です。
そんなリアルホラーは苦手な私ですが、ホラー映画は刺激強めが好きなので、どうしても物足りないと感じてしまうんですよね。
これは完全に好みの問題だと思います。
それを踏まえても、個人的にこの作品は消化不良で微妙でした。
ここまで読んでくださりありがとうございました(*´ω`*)ゞ
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