『オール・ユー・ニード・イズ・キル 』感想＊軍広報マンが世界を救う！
※後半にネタバレあり（注釈後）※
映画感想語り、今回は『オール・ユー・ニード・イズ・キル 』（2014年）です。
同名の日本のライトノベルを映画化した作品です。
原作をなぞりながらもラストや設定は結構変わっているそうなので、興味がある方は原作を読んでみてください。
漫画化もしているようですよ。
博士が眼鏡っ娘だったりする日本独特の萌え文化は排除され、泥臭く硬派なイメージで固めています。
それで正解だと思います。
＊あらすじ＊
近未来。
地球は「ギタイ」と呼ばれる宇宙からの侵略者により、滅亡の危機に晒されていた。
人類側の統合防衛軍は敵の強大な戦力に対して劣勢な戦いを強いられていたが、「ヴェルダンの女神」の異名で知られる英雄リタ・ヴラタスキ（エミリー・ブラント）の活躍によって反撃の糸口を掴む。
防衛軍は機動スーツと呼ばれるパワードスーツの投入によって、欧州地域における大規模な殲滅作戦を立案する。
軍属の広報であるウィリアム・ケイジ少佐（トム・クルーズ）は、殲滅作戦を指揮するブリガム将軍に呼び出され、戦場の現地取材という任務を命じられる。
危険な任務から逃れたい一心でそれを拒否し、広報としての立場を利用して将軍を脅迫しようとするウィリアム。
諦めた様子の将軍に安心して立ち去るも、兵に囲まれて気絶させられ強制的に最前線に送られてしまうのだった。
目を覚ますとそこは出撃準備中の軍事基地。
ウィリアムは将軍によって地位を剥奪され、歩兵として最前線で戦うことになる。
ウィリアムが配属されたJ分隊の兵士たちは彼に非協力的で、ウィリアムは武器の安全装置を解除する手順すらレクチャーされないまま殲滅作戦に参加させられる。
統合防衛軍の目論見に反して戦況は圧倒的に劣勢で、J分隊の仲間や、英雄であるはずのリタも次々と戦死していく。
戦い方も知らず、武器も使えず逃げ惑うばかりのウィリアム。
ギタイに襲いかかられ死を覚悟した彼は、自爆用に渡されていた地雷を使い、青白く輝く獣のような姿をしたギタイ『アルファ』と相打ちになって死亡する。
ところが次の瞬間ウィリアムは意識だけが時間を遡り、出撃前の時点まで戻るという現象を体験する。
戸惑いつつも同じ2日間を過ごし、同じように劣勢な戦場で前回とは違った形で戦死するも、再び前の時間に戻る。
それを繰り返すにつれ、ウィリアムは自分が死ぬと出撃前に時間が遡るというタイムループに巻き込まれてしまっていることに気付くーー
＊評価（最高★5）
全体 ★★★★★
いわゆるタイムリープ（何度も同じ時間を繰り返す）もの。
死ぬたびに過酷な戦いを繰り返してはまた死に、その積み重ねで敵を知り、己を鍛え強くなっていくケイジ。
少しづつ確実に敵の大ボスに近づいていきます。
リタとの恋愛も描かれますが、あくまで戦闘メインで控えめです。
迫力 ★★★★☆
敵である生命体「ギタイ」は、大軍で襲ってくる上にかなり素早く強いです。
いくらパワードスーツを着ていても、簡単に殺されてしまいます。
圧倒的に強い生命体に、努力と知恵で挑むウィリアムや仲間達の戦いは迫力があります。
パワードスーツは多彩な武器を備えていますが、動きが遅くすぐ壊れるので高性能なのかよく分からないですね（笑）
グロさ ★★☆☆☆
ギタイが強すぎるのでどんどん死んでいきますが、グロ描写はかなり控えめです。
派手に血が飛ぶようなものはないです。
オススメ度 ★★★★★
日本のラノベがベースとは思えないくらい、硬派でガチガチのハリウッドアクションに仕上がっています！
タイムリープできる理由も意外性があって面白いです。
弱々広報から、逞しい戦士へと成長していくトム・クルーズもかっこいいですよ。
骨太SFアクションとして安定した良作です。
※ここからネタバレ感想↓※
ネタバレ書き中……_φ(･_･
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※ここからは内容を知っている前提です。
日本のラノベがベースということで、気になって観てみた本作。
漫画を実写化すると大コケするパターンが多いですが、これは大成功した例だと思います。
日本が実写化してたらこうならなかったでしょうね（笑）
予算があるアメリカで、さらに萌え要素などを排除したからこその、この出来だと思います。
迫力アクションやSF系の実写化は、日本より断然アメリカの得意分野ですね。
『パシフィック・リム』でも感じましたが、特殊な強さを持つわけでもない人達が、チームプレイや地道な努力で強くなっていくのは日本的ですよね。
この作品もスタイリッシュさは少なめな、コツコツ型ど根性タイプです(｀・∀・´)
ストーリーもタイムリープものかつSFにしては、アッサリしていて分かりやすいです。
敵は宇宙からの未知の生命体「ギタイ」。
非常に素早い動きと触手で、パワードスーツを着た部隊をあっという間に壊滅させてしまいます。
統合軍は奇襲をかければ勝てる（実際は読まれていたが）とふんでいましたが、仮に奇襲が成功しても勝てるとは思えないくらい圧倒的な強さです。
個々が強いのに数も多い。
そんなギタイ群相手に、なぜヴェルダンの戦いでは勝てたのか。
なぜリタが「ヴェルダンの女神」と呼ばれるのか。
それは死の間際にアルファの血を浴びて、オメガのタイムリープ能力が備わったからです。
彼女はヴェルダンの戦いで、ウィリアムと全く同じように幾度も同じ戦いを繰り返して、統合軍を勝利に導いたのです。
唯一できなかったのは、敵のコアである「オメガ」を倒すことでした。
今の彼女はタイムリープ能力を失っており、唯一その能力を信じてくれたカーター博士と共にオメガの居場所を探り続けています。
口より先に手が出る系の強い女性です。
彼女の武器はゴツいバトルソードなんですが、実戦向きかはともかくああいうのカッコいいですよね( *´艸｀)
アルファの血を浴びるとタイムリープ能力が備わるのは、アルファがオメガと繋がっているからです。
アルファが何度も蘇るのは、オメガのタイムリープ能力があるから。
死の間際にアルファの血が多く体内に流れ込むことにより、その能力が使えるようになったのです。
要はオメガとリンクしたということですね。
能力を使えば使うほどにリンクは深まり、オメガの居場所をビションで見ることができるのです。
アルファの血を媒体にしているので、長く能力を使う為には「なるべく血を流さず、ダメだと思ったら一瞬で死ぬこと」が重要です。
失血死や輸血をされると能力は失われます。
リタは重症で救助され、輸血されたことにより能力を失ってしまいました。
なので、今回は無理と判断するとリタはウィリアムを容赦なく撃ち殺します。
その度にウィリアムは、初対面の冷たい態度のリタに今の状態を最初から説明しに行かないといけないのです。
リタ自身が経験したことなのですんなり信じてくれるとはいえ、毎回訓練を抜け出して会いにいくのはキツいでしょう。
死なないとはいえ痛みは感じるかもしれませんし、毎回味方ゼロからなんて繰り返されたら堪らないですね(；´Д`)
ウィリアムに最後の希望を見たリタは、ただの軍広報だった彼を厳しく鍛えあげていきます。
何度も何度も、気の遠くなる回数同じ経験をさせて。
ギタイの動きを模した訓練施設があるのですが、少しでもウィリアムがミスすると容赦なくヘッドショットです。
まさに鬼教官でした((((；ﾟДﾟ)))))))
1人記憶を引き継ぎ続けたウィリアムは、徐々に逞しく動じない戦士になっていきます。
引き継いで巻き戻るのは記憶だけなので、実際に2日間で肉体を鍛え上げることは不可能です。
ウィリアムは敵の動きやパターンを知り、対応して動けるよう頭に刷り込むことで強くなっていきました。
とはいえ、ある程度肉体が伴っていないといくら分かっていても動けないですからね。
ウィリアムはその臆病さから前線に行きたくなくて広報に志願したというバックボーンがあるので、元々結構鍛えていたのでしょう。
何よりトム・クルーズですからね！！
鍛えてない役なんかやったら、スパイできなくなってしまう（笑）
ちなみに彼の代表作『ミッション・イン・ポッシブル』はまだ観たことありません。
いつかあの有名な曲を実際に映画で聴いてみたいですね( ﾉﾟ∀ﾟ)ﾉ
何度も訓練や戦場で失敗してはループするうち、ついにオメガの居場所のビジョンを見たウィリアム。
そこに行くには、圧倒的に劣勢な戦いを何とかして乗り越えなくてはいけません。
徹底的に動きを読んではリタに指示を伝え、ついにこの戦況を乗り越えます。
そのまま2人はオメガの居場所であるドイツのダムを目指します。
その途中の小屋でヘリを見つけますが、急にウィリアムはリタを引き止めるようなことを言い出します。
曖昧に濁すウィリアムに納得できないリタは、1人で向かうとヘリに乗り込みました。
その途端ギタイが襲ってきて戦闘になります。
パワードスーツを脱ぎ捨てていた2人は苦戦するもギタイを倒しますが、リタは瀕死の重症を負ってしまいます。
そんなリタにウィリアムは伝えました。
「本当は何度もここまで来ていた。
けれど、どう行動しても君はここで死んでしまう」と。
ウィリアムはリタに惹かれていました。
リタを死なせたくない一心で何度ループを繰り返しても、必ず彼女は死んでしまう。
いくら違う方法を試しても、たとえ戦うことから逃げても。
その事実に苦しんだウィリアムは、リタに想いを告げると自害して時間を戻します。
そして今回はリタを置いて、戦いが始まる前に1人でオメガのところへ向かいます。
しかしそこにオメガはいませんでした。
オメガはウィリアムとリンクしていることを利用して、フェイクの情報を見せたのです。
罠に嵌められたウィリアムは必死で脱出し、リタと博士のところへ戻り事態を報告します。
博士は「ブリガム将軍に奪われた機材があればオメガの居場所を探知できる」と言います。
それからリタとウィリアムの目的は「どうすれば将軍から機材を取り返し、追っ手から逃れられるか」になりました。
何度もループを繰り返し、ついに将軍から機材を取り返すことに成功しました。
オメガはルーブル美術館の地下にいるようです。
しかし機材奪還作戦自体は成功しましたが、逃亡の際にウィリアムが重症を負って気絶してしまいます。
リタも気絶しており、病院に搬送されたウィリアムは輸血されてしまいます。
もうループはできません。最後の挑戦です。
2人は病院を抜け出して基地へ向かいます。
ウィリアムはこれまでの数多の経験と、英雄であるリタの信頼性を利用して、J分隊の仲間を説得します。
「明日の戦いは敗北する。それを回避するにはオメガを倒すしかない。協力してほしい。
僕のことは信じられないだろうけど、彼女の言葉なら信じられるだろ」と。
初対面なのに自分達のことをよく知るウィリアムと、英雄であるリタの言葉を信じたJ分隊。
彼らは戦い前夜、基地の輸送機を奪ってオメガの元へ向かいます。
ルーブル美術館周辺の守りは固く、隊員達は命がけで囮になり、ウィリアムとリタを先に進ませます。
そしてオメガまですぐそこという所まで侵入した2人ですが、アルファが立ち塞がります。
リタは自分が囮になることを選び、ウィリアムに世界を託します。
ウィリアムが改めてリタに想いを告げると、リタは「貴方との時間は悪くなかった」と告げて飛び出していきます。
もう一体のアルファや他のギタイからの猛攻を受けながら、オメガの元へ突っ込むウィリアム。
ギタイに胸を貫かれながら、オメガの中心に爆弾を落とします。
大爆発を起こして死亡したオメガ。
死ぬ間際に大量のオメガの血を浴びたウィリアムは再びタイムリープ能力を獲得し、ブリガム将軍に呼び出される前の時間（映画の最初のシーン）まで大きく巻き戻ります。
その世界ではオメガが死んだことによりギタイ達は著しく弱体化しており、人類が圧勝していました。
ウィリアムはブリガム将軍の依頼を受け、地位を剥奪されることなく基地へと向かいます。
そしてウィリアム少佐としてリタに逢いに行きます。
初対面のリタは急な少佐の訪問に不審そうな顔をしますが、再開できた喜びにウィリアムは微笑むのでした。
こうしてウィリアムの長い長い2日間は終わります。
彼女と共に、死なない未来を歩めることを信じてーー
綺麗にハッピーエンド終わってくれて安心しました。
ループの設定も無理がなくて納得できる、SF好きなら万人ウケするであろう良作です。
ここまで読んでくださりありがとうございました(*´ω｀*)ゞ
もし少しでも楽しんで頂けたら、読者登録やコメントしてもらえると嬉しいです♪
※内容は予告なく変更されたりします。
↓参加者してみました(* 'ω')ﾉ
