『ディパーテッド』評価感想*二重生活の苦悩
※後半にネタバレあり(注釈後)※
映画感想語り、今回は『ディパーテッド』(2006年)です。
R15サスペンス。監督はマーティン・スコセッシ。
『インファナル・アフェア』(香港映画)のハリウッドリメイク。
日本でもスペシャルドラマとして一度リメイクされているそうです。(主演は西島秀俊と香川照之)
「男は、死ぬまで正体を明かせない。」
みなさんは二重生活したことありますか?
両方共に知られてるならまだしも、一方的に隠しながらの二重生活の大変さは計り知れないですよね。
バレないように、いつもハラハラ極限の緊張状態。
私だったら速攻で精神崩壊しそうです(;´Д`)
正体がバレた先に待つのが死だとしたらーー
そんな苦悩の二重生活をスリリングに描いたのが今作です。
*あらすじ*
マサチューセッツ州ボストン南部、通称「サウシー」。
警察はこの街に蔓延する犯罪を撲滅すべく最終戦争に突入しようとしていた。
標的は犯罪組織のトップ、フランク・コステロ(ジャック・ニコルソン)。
その支配力を内部から崩そうと警察は新人警官のビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)を組織に潜入させる。
ビリーは犯罪者の多いアイルランド系の家庭の生まれ。
荒事にも慣れており、組織への潜入スパイとして最適な人物だった。
一方、コステロもスパイとして新人警官のコリン・サリバン(マット・デイモン)を送り込んでおり警察の捜査は筒抜けになっていた。
コリンは幼い頃コステロと出会い、その才能を見込まれ、スパイとして警察学校へ入れるよう教育を受けていた。
お互い素性を隠して潜入生活を続けるビリーとコリンだったが、コリンは順風満帆な生活を脅かされたくないと思い始め、ビリーは気を張り続ける孤独な生活に限界を訴える。
やがて警察もマフィアも内部に通報者がいることに気づき、お互いの情報源を使って通報者を突き止めようと動き始めーー
*評価(最高★5)
全体 ★★★☆☆
観ていてこちらまでハラハラしっぱなしでした。
特にマフィアに潜入したビリーはなかなか信用されず、少しでも怪しまれれば死に繋がる綱渡り状態で辛かったです。
コリンは急に環境が変わるわけでもなく、表向きはエリート警官なのでまだマシですね。
基本は頭脳戦情報戦ですが、流血や暴力表現も多いので注意。
個人的にラストの展開が残念だったので少し辛めです。
ミステリー度 ★★☆☆☆
最初から誰がスパイか分かってるので、推理要素はほぼないです。
いつバレるか分からない展開はスリリングで、最後までヒリヒリした駆け引きが楽しめます。
いかに相手を出し抜くかというのがメインで、アクションとしては普通の抗争程度です。
下品さ ★★★★★
アメリカンジョーク(という名のエロネタ下ネタ)がかなり多いです。
マフィアも警察もガンガンブッ込んできます。
苦手な人は終始顔を顰めることになるかも。
コステロが出したジョークグッズはR15でいいのか!?と思いました(笑)
オススメ度 ★★★☆☆
潜入スパイものが好きならかなりオススメですが、個人的にはジョークが笑えないのでこの評価です。
下ネタ耐性があるのと好きなのは違うんだ(;-ω-)ゞ
ダブル主演のお二人の演技は文句なしです!
警察とマフィア、ビリーとコリン、最終的に勝つのはどちらなのか。
ハラハラしながら観てくださいヽ(`・ω・´)ノ
※ここからネタバレ感想↓※
ネタバレ書き中……_φ(・_・
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※ここからは内容を知っている前提です。
見終わった後に残った感想は…
下ネタジョーク多すぎじゃあ!!!!(ノブ風
しかもひたすら下品(゚o゚;;
言ってること大体同じなのに、どれだけボキャブラリー豊富なんだよ!
洋画って本当に下ネタ大好きですよね。
かなり耐性はある方ですが、別に好きではないので(特に口が悪く下品なのは)こうも詰め込まれるとうんざりしてしまう。
このシーンの後にコステロが出すジョークグッズはもはやただの変態。
せめて真面目なシーンではやめておくれよ(つД`)ノ
というわけで、あまり他の印象がないのでアッサリめに感想書きます。
警察側とマフィア側両方に1人づつかと思いきや、警察側はまさかの2人でしたね。
さすが悪党は用意周到です。
スパイが裏切りそうならすぐに始末できるよう監視を付けてるワケですね。
2人いるのを知ってたらそれはそれで抑止力になるような気がしますが、知らされてなかったコリンは信用されてなかったのでしょう。
警察学校から入っているんですから、そこで生活しているうちに心変わりするかもしれないと危惧されてたのかもしれません。
実際コリンは平穏な生活を壊されたくないと思い始めていましたからね。
一方ビリーはかなり過酷な潜入です。
なんせ周りは悪人だらけ。
味方は1人もいません。
バレたらそれは死を意味します。
もしくは死んだ方がマシなくらいの拷問地獄です。
いつも緊張状態、言動一つに気を使い、したくもない犯罪に協力させられる辛い毎日。
しかも5年もの月日をかけても完全な信用は得られていないという虚しさ。
それでも直接人を殺めたことはないんですから、ビリーの正義感は非常に強いですね。
だからこそ心が壊れかけてしまうんですが…。
それに比べたらコリンなんて楽なものです。
警察官としての経歴は本物。
普段は自分を偽ることもなく、エリートともてはやされ、彼女もいる幸せな生活です。
勤務中もコステロ関連だけに気を張っておけばいいわけですから。
しかも最悪バレたとしても刑務所送りです。
むしろコステロの刺客から守ってもらえるかもしれません。
善と悪で葛藤してくれたらまだ救いがありましたが、それもなかったですし。
むしろコステロが重荷になってきたから見切るという悪人っぷりです。
なので、ずっとビリーに肩入れして見ていました。
ビリーが潜入捜査官だと知っているのは警察内部でも2人だけ。
その1人クイーナン警部はコステロの手下に殺され、ディグナム巡査部長は頑なに潜入捜査官の名前を明かさず捜査妨害として謹慎させられてしまいます。
署内にビリーを知る人物はいなくなってしまいました。
警察署にも出張している精神科医の女性マドリンを心の拠り所にするビリーですが、マドリンはあろうことかコリンの彼女。
ビリーも叶わぬ恋と知っているから、なんとも切ない…。
ビリーの正体に気づいた瀕死のゴロツキ男性は、なんでコステロに報告しなかったんでしょうね。
言いかけて息絶えてしまいましたが、たぶん「お前が気に入っていたからだ」とかでしょうか。
コステロには信用されなくても、仲間との絆はできていたんだとしたらいいなと思いました。
後半のどっちがより出し抜くか合戦はハラハラでしたね。
警察とコステロの戦いは、コリンがコステロを裏切る(というか見捨てる)型で決着がつきます。
コリンはまだ正体がバレておらず、むしろコステロを仕留めたことで大手柄でした。
スパイから戻ったビリーを讃えたコリンは、彼が警察官に戻れるよう手配しにいきます。
そんなコリンのデスクを見たビリーは、見覚えのある封筒を見つけます。
コステロがスパイに送ったはずの封筒でした。
ビリーはコリンがスパイだと気づきます。
バレたことに気づいたコリンは、ビリーの個人情報を抹消し秘密裏に消そうとします。
身を隠したビリーはスパイの証拠である録音会話をコリンの家に送りつけ、それを聞いたマドリンはコリンに激怒し家を出ていきます。
コリンを廃ビルの屋上に呼び出したビリー。
ビリーは警察官に戻りたいだけでしたが、正体がバレたコリンは拒否します。
コリンを銃で脅しますが、かけつけたコリンの同僚がビリーを撃ち殺してしまいます。
ビリー報われなさすぎる(´;ω;`)
その警官を撃ち殺すもう1人の警察官。
それが2人目のコステロのスパイでした。
それを知ったコリンは、その男を撃ち殺します。
真実を知る者は全て消して、これからも警察官やってきますって?
いやいやコリンの一人勝ちとか納得いかない!!
ビリーは立派に任務を成し遂げた警察官として名誉の殉職となります。
葬儀は英雄をおくるに相応しく盛大に厳かに行われました。
そこには涙を流すマドリンの姿も。
コリンはマドリンに声をかけるも、無言で手を振り払われます。
買い物をして家に帰ったコリンを待っていたのは、謹慎中のディグナム巡査部長でした。
コリンは「わかったよ…」と諦めたように呟いた瞬間、頭を撃ち抜かれます。
ディグナム巡査部長は足跡がつかないようにしてたことから、警察官としてではなくビリーの友人として仇を討ったのでしょう。
スッキリしない終わり方でしたが、コリンの一人勝ちじゃなくてよかったです。
ビリーが名誉ある警察官として死ねたのが、せめてもの救いですね。
ここまで読んでくださりありがとうございました(*´ω`*)ゞ
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