『ミスト』評価・感想*納得の胸糞エンド…!
※後半にネタバレあり(注釈後)※
映画感想語り、今回は『ミスト』(2008年)です。
監督はフランク・ダラボン。
スティーブン・キングの同名著書が原作です。
ショーシャンクからの繋がりで2作目はこれにしてみました。
基本的にバッドエンドが多いホラーというジャンルを差し引いても、胸糞エンドと言えば必ずこの名前が上がるというくらい界隈では有名な作品のようです。
えぇ予想以上に最後に後味悪かったです_:(´ཀ`」 ∠):
ショーシャンクとの落差がすごすぎる…!!
*あらすじ*
湖のほとりに住む家族。
昨晩は大嵐がきており、倒れた木が家の窓を突き破って倒れたりボート小屋が大破したりと、家には大きな被害が出ていました。
ふと湖を見ると遠くに濃い霧が出ているのが見えます。
不審がる妻に夫デヴィッド(トーマス・ジェーン)は「ただの自然現象だよ」と声をかけ気に留めませんでした。
修繕に必要なものを買い出しに父と息子(ネイサン・ギャンブル)はスーパーへ買い物に行きます。妻は留守番です。
車が倒木に潰されてしまったお隣さんのブレンドも同行することになりました。
その途中、何度も軍の車や救急車が通り過ぎ、辺りにはサイレンが鳴り響いていました。
何があったのかと思いながらスーパーに着いて買い物をしていると、急に鼻血を流した老紳士ダンが逃げ込んできました。
「霧の中に何かいる!」彼は叫び、扉を閉め外に誰も出ないようにと訴えました。
それと同時に外は霧に覆われ真っ白になりました。
熱心なキリスト教徒の女性ミセス・カーモディは、終末が来たと神に祈り続けます。
不安がる客を定員達が落ち着けつつ、とりあえず皆スーパー内に籠城することにしました。
そんな中、1人の女性が「家で子供が待ってるから帰らなきゃ」と言い出します。
一緒に来て欲しいという彼女に皆顔を伏せ、彼女は1人で霧の中へ消えていきました。
停電を直すために倉庫へ入ったデヴィッドは、「何か」が外からシャッターを押しているのを目撃します。
パニックにならないよう数人にだけ話すも信用してもらえず、とりあえず皆でシャッターを見に行きます。
その「何か」は消えたようで皆デヴィッドを正気じゃないと疑い、不具合を起こしている外の排気口を直しに行く為シャッターを開けました。
青年が外に出ようとしたその時、何かの触手が青年に襲いかかります。
必死に引き戻そうとするデヴィッドですが、彼は触手の先の歯で胸元を食い千切られ霧の中に引きずられていきました。
唖然とする一行は皆に怪物のことを伝えますが、なかなか信じてもらえません。
それでも皆得体の知れない「何か」がいる不安に怯え、徐々に理性を失ってゆくのでしたーー
*評価(最高★5)
全体 ★★★★☆
単純に怪物系ホラーとしても、今観ても遜色ない(そこまでチープ感なし)作品。
霧の中にいる「何か」も充分怖いですが、この作品で何より怖いのは追い詰められた人間の心理です。
もうギスギスピリピリ感が半端ない。
噂のラストも、ホラーの胸糞エンドなんてよくあるじゃん、どんなもんかね〜♪(´ε` )
なんて想像を思いっきり超えてきました。
そうきたか…orz
内容的にあんまり高評価したくない気持ちですが、語り継がれるであろう作品です。
グロさ ★★★★☆
なかなかにグロいです。確かレンタルはR15でした。
盛大に食い千切られたり、人体の部分的に落ちてたりと、グロ描写にも容赦無しです。
グロメインな作品じゃないので耐性のある人なら大したことはないかもしれませんが、苦手な人は見ない方がいいかも。
悲惨さ ★★★★★+
とりあえず今まで私が観た中では、ダントツの1位です。
悲惨オブ悲惨。絶望感たっぷり。
人間の弱さや汚さもこれでもかと見せられます。
精神的に引っ張られやすい人は注意。
オススメ度 ★★★☆☆
個人的にはバッドエンドよりハッピーエンドが好きなので、そういう意味ではオススメしません。
希望などない展開と最悪の胸糞エンドが気になる方はぜひ観てほしいですね。
私は気になりすぎて観てしまったよ!!
そして感想を聞きたいです。
今どんな気持ち?ねぇどんな気持ち??( 'ω')ノシ
※ここからネタバレ感想↓※
ネタバレ書き中……_φ(・_・
ーーーー
※ここからは内容を知っている前提です↓
鑑賞後、「観なきゃよかった…」と「観てよかった!」が混在する複雑な心境になりました今作。
史上最悪の胸糞エンドなんて聞いて、色々想像してたんですよ。
ホラーって大抵バッドエンドじゃないですか。
人がたくさん犠牲になって主人公含め数人だけ生還なんてハッピーな方で、脅威はまだ終わってませんでしたー!とか登場人物(あるいは人類)全滅とかはよくあるバッドですよね。
胸糞エンドって言われたら、真っ先に「生還した!幸せな生活に戻った!と思ったら死にましたー」みたいなのが思い浮かびます。
あとは最後の最後で仲間が裏切るとか。
そんな悲惨なのを想像してた訳ですよ。
それ超えてこないで!!このオチを考えつく監督が怖い!!!!((((;゚Д゚)))))))
原作では主人公達の車が出発したところで終わるそうです。
その後どうなるか…読み手次第で多少希望がありますね。
でも監督が思いついちゃったらしいです。
最悪のあの展開を。
原作者のキングは「自分が思いついていたら書いていた」と絶賛していたそうです。
確かに凄いラストだけども…!!
あの展開はホラーをよく観てる人ほど騙されるかもしれないですね。
実際私も、観ている間にも色々予想しました。
(むしろ私はあまり観ていない方だから定番な予想にしか行かないのかも)
あ!まさか車が駐車場から出た瞬間デカいのに襲われて終わりとか!
違った。
あ!目の前の人を命がけで助けようとするデヴィッドのことだから、奥さん助けようとして生まれた子蜘蛛に集られちゃうのかも!
違った。
…あ!このデカブツに踏まれてとか…?
違った。
…車止まったか…外に出てよく目を凝らしたらびっしり囲まれてて終ry
違った。
…あぁ…みんなを殺して自分だけ極限の恐怖の中取り残されて終わりか…しかも怪物なかなか来ない恐怖…これはデヴィッドつら…
違 っ た。
うわあぁぁぁ!!そんなのやめてよぉぉぉ!!
何で今なんだよ!!!!
最初に出て行った女性助かってるよかった!
けど!たぶんスーパーに残った人達も助かってる!!素直に喜べない!!!!
こんな運命残酷すぎる……鬱_:(´ཀ`」 ∠):
ホラーあるあるの「何も解決しないまま全員助からないパターン」っていうのを逆手に取った見事な胸糞エンドでした。
まさか最悪のタイミングで脅威が去って1人だけ助かってしまうとは…褒めたくないけど褒めずにいられないです。
予想を超えたあの衝撃はなかなか体験し難いものでしたから。
脅威が去って喜ぶところのはずが、デヴィッドの気持ちを考えるとまさに生き地獄な辛すぎる終わり方でした。
うまく脱出したと思ったデヴィッド達が死亡して、散々不快にさせられたスーパーに残った人達が生還したという事実はかなり嫌〜な気分になりますね。
作品内だけでなく見る側の人間心理まで操るとはダラボン監督恐るべしです。
ミストの恐怖のメインは極限状態の人間心理ですが、色んな人がいる中冷静を保って団結するのはやっぱり難しいんですかね。
ライトに寄ってくる性質の巨大羽虫がいるのに何故か照明を全部つけたり、そんな場合じゃないのに私情でいがみ合ってたり。
実際パニックにならずうまく立ち回れる人の方が少ないでしょうが、映画としては皆もうちょっと考えて動けよ!と思っちゃいました。
日本人ならもう少しまとまるんじゃないかと思うのは過大評価でしょうかε-(´∀`; )
今回は熱心なキリスト教おばさんカーモディに皆救いを見出しますが、宗教感が薄い日本人の場合どうなるか…体験したくはないですが(笑)
ただ何もできない恐怖の中、そういったものに縋って心を保ちたいのは分かります。
1人を生贄に捧げるなんて凶行は理解し難いですが、実際ああいう状況になったら自分が助かることで頭がいっぱいになるのかもなぁと考えさせられました。
もしカーモディがまともな人だったら、もう少しどうにかなったのかもしれません。
そして主人公デヴィッド。
家族を心から愛し、正義感がとても強いお父さんです。
極限の閉鎖空間で積極的にリーダーシップを取っていきますが、それが空回りするする。
自分の身を危険に晒しても人を助けようとする精神はすごいと思います。
触手に胸を食い千切られてる青年とか、全身火傷で瀕死の人とか、怪物蜘蛛に捕まっている人とか、足が切断されかけてる人とか。
ただ、どう考えてもあの状況で死にかけてる人助けるのを優先すべきじゃないでしょ…!
と思ってしまうのは、助かる可能性がないと気付いている視聴者だからこそですかね(;-ω-)ゞ
そんな諦めないデヴィッド何で最後だけ諦めちゃったんだ…!
いや、分かりますよ?疲労困憊、極限状態の恐怖の中、逃げられる最後の希望がなくなったらもう人生諦めたくなりますよね。
でもせめて怪物が出てくるまで待ってれば…くっ(つД`)ノ
監督の『どんな時でも諦めず最後まで生きる希望を失うな』というメッセージは、描き方が真逆なだけでショーシャンクと同じですね。
デヴィッド達は最後の最後に諦めたから、あの結果になったと。
最悪の形ですが「僕を怪物に殺させないで」という息子との約束は果たせましたよね。
死んだ4人は恐怖から解放されて安らぎを感じましたよね。
せめてそう思わないと報われなさすぎる。
果敢に子供を助けに帰った最初の女性が助かったのは納得ですが、諦めきって宗教に縋って狂った人達はいいの?
こういうモヤモヤした部分が最悪の胸糞エンドと言われる理由なのでしょうね(´Д` )
私ミストを実際観るまでは、霧自体が何かしらの生命体として襲ってくるのかと思ってたんです。
実際は霧の中の「何か」という怪物だったわけですが、あくまで人間心理がメインなので怪物の正体はぼんやりとした情報でしたね。
軍が何かしらの異次元に関わる研究をしていて、何かしらがあって異次元の扉が開いてしまって霧と怪物が出てきたって。
しかも最後は霧が晴れていたので、きっと異次元の扉は何かしらの方法で閉じたんですよね。
急なSF感にちょ…えぇー?と思いました(笑)
何かしら説明がないとと思ったのでしょうが、これなら説明なしで正体不明な「何か」になすすべない人々の方がよかった気もします。
それか生体実験で怪物化した生物が逃げ出したとか。
その方がキリスト教的によりタブー感あって納得いったかも。
虫は苦手なので、窓にバンバン張り付く羽虫はかなり気持ち悪かったです。
よく考えると怪物達は呼び寄せたり外にさえ出なければ積極的には襲ってこないわけで、あくまで人間心理を描くエッセンスだったんだなぁと思いました。
何にせよ、軍人さんがカーモディ教集団に囲まれて刺され、怪物の生贄にされるのは恐ろしかったです。
そして映画内で1番活躍したヒーロー副店長オリーが最後にあっさり殺されてしまったのは、なんとも言えない悲しい気持ちになりました…。
彼も最後まで自分より他人を優先できる人だった(´;ω;`)
脱出することを考えなければ助かってたわけで。
でもあのまま残ってたら反乱分子として生贄にされてた可能性も高かったわけで。
どうあがいても絶望。
とことん無慈悲な作品でした(´-ω-`)
ここまで読んでくださりありがとうございました(*´ω`*)ゞ
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